みなさんこんにちは。
楽天モバイルが1GBまで0円のプランの廃止を発表したのは記憶に新しいと思いますが、廃止となった理由は「電気通信事業法に抵触するおそれがあった」とのコメントによるものでしたが、それが実際に何にあたり、抵触する恐れがあったのか、総務省のWGが、わかりにくく解説しています。
価格圧搾、モバイルスタックテストについて
この総務省のWGを見ていると、どうやら各圧搾に関する疑義があった模様。それが今回の楽天モバイル0円廃止につながった可能性を疑います。
価格圧搾は事業者(MNO)が提供する接続料とMVNOへの利用者料金の差を縮め、MVNO事業者に事業を行いにくくすることを指します。
楽天モバイルには楽天モバイルの回線を利用するMVNOがいないため、今すぐに価格圧搾が問題となることは無さそうです。
その他、コスト割れしている場合に、公正競争の観点から問題視されることがあるようです。総務省としては、接続料と利用者料金の間の適正な関係が維持されるように、スタックテストを実施する仕組みがあるようです。
▼総務省の関連するページ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000014790.pdf
WGでの楽天モバイル0円に対する解釈
WGでの楽天モバイル0円に関するコメントは以下の通り。
- 段階式のプランであり、3GBまで980円、20GBまで1980円、無制限で2980円
- 現時点では第二種指定電気通信設備でない(MVNOが存在しないため)、価格圧搾には該当しないのでは
- 人口カバー率97%により、今後第二種指定電気通信設備(MVNO事業者がでてくる)となる可能性がある
- MVNOが出てきた際にはモバイルスタックテストを実施して検証すればいい
- MNO3社に対し、市場開拓、価格競争の面で貢献できた
- 依然としてMNO3社で80%のシェアを持っており、新規事業者としての戦略上、このような料金設定については問題視すべでない
楽天モバイルのコメントは次の通り。
- 新プラン『Rakuten UN-LIMIT VII』を発表した背景には、4Gの人口カバー率97%などの達成によって、事業基盤が整い認知が浸透したことで、サービスの利用をためらう人が減ったことがある。(楽天モバイルが)チャレンジャーとしての黎明期から成長期へと新たなステージに向かうことで、今後の携帯電話市場への影響力をより増していくことをふまえると、0円で“お試し”いただくフェーズは過ぎつつある
- この数年で通信の利用スタイルにも変化があり、通信データ利用量は増加傾向にあるため、2980円(税抜)でデータ使い放題というのは据え置いた。また、いくつかの楽天グループのサービスをお得に利用できるなど、データ利用の多いユーザーほどお得になるプランとした
WGでのpovo2.0の0円に対する解釈
WGでのpovo2.0の0円に関するコメントは以下の通り。
- povo2.0はトッピングにより、データや利用期間、音声通話の料金を組み合わせるプラン
- 180日間トッピングがない場合は自動解約となる
- KDDIはモバイルスタックのテストになる対象で、同社は協力すると回答している
KDDIのコメントは以下の通り。
- povo2.0は、ユーザーが自身のライフスタイルに合わせて必要なトッピングを購入することを前提としたサービス。auやUQ mobileと同様に、適切な事業構造のもとでサービスを提供している
- 情報提示が必要である実績データについては可能な範囲で協力していく
まとめ
楽天モバイルは現時点では価格圧搾と言われることは無さそうですが、人口カバー率97%に到達を踏まえ、今後MVNOへの回線提供などを見据え、今の段階で1GBまで0円廃止をし、備えた可能性がある。現時点ではすぐにモバイルスタックテストが実施され、その他プランの費用が見直されることは無さそうだと感じた。
povo2.0については、楽天モバイルに代わり、価格圧搾の対象として見られる可能性がある。KDDIはモバイルスタックテストへの協力を表明しているため、モバイルスタックテストが実施されることになると、0円+トッピングのプランが見直される可能性もあると感じた。実施の場合もすぐに結果が出る物ではないので、0円無くなるの危険だから契約を控えるなどといった考慮は不要と思う。
ユーザーは利用スタイルなどを振り返り、現時点で自分にあった事業者のプランを選択すればいいと思う。
▼競争ルールの検証に関するWG(第32回)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/denkitsushin_shijo/02kiban03_04000823.html
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