100年に一度の太陽フレアで起こる影響(宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会)

みなさんこんにちは。

地球の地上の天気と同様に、宇宙にも天気があります。総務省は、宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会の報告書を2022年6月21日に発表しました。

太陽フレアとは

以下Wikipediaでの解説です。

太陽系で最大の爆発現象で、小規模なものは1日3回ほど起きている。多数の波長域の電磁波の増加によって観測される。特に大きな太陽フレアは白色光でも観測されることがあり、白色光フレアと呼ぶ。太陽の活動が活発なときに太陽黒点の付近で発生する事が多く、こうした領域を太陽活動領域と呼ぶ。太陽フレアの初めての観測は、1859年にイギリスの天文学者リチャード・キャリントンによって行われた(1859年の太陽嵐)。

▼Wikipedia(太陽フレア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%A2

太陽系の爆発現象で、1859年に初めて観測が行われたとのことです。最近では太陽以外の様々な天体で観測されているとのことです。

太陽フレアが発生して影響が出るまでの流れ

総務省報告書より

こちらも総務省の資料ですが、通常2~3日程度で全地球規模で影響が出るようです。短波通信・無線通信の障害や送電線、衛星測位などに影響が出始めます。また、スポラディックE層、プラズマバブルにより、異常伝搬や伝搬遅延が発生するようになります。(日本領域ではスポラディックE層の影響)

太陽フレアによる影響、リスクランドスケープ

総務省報告書より

総務省報告書より

100年に一度の「大規模な宇宙天気現象」による影響は、一部短波通信の途絶、衛星測位の劣化、衛星の一部で障害発生、航空運用に制約(ルート変更等)、海外で発生が一部発生などです。
さらに1000年に一度は「極端な宇宙天気現象」と位置付けられています。スーパーフレア級の太陽嵐に伴う数週間にわたる甚大な被害、全世界的に通信・放送が断続的に途絶し、社会経済に混乱、携帯電話のサービス停止が一部エリアで断続的に発生、測位精度の大幅な誤差が起こり、衝突事故が発生、多くの衛星に障害・不具合が発生。相当数の衛星が喪失、衛星を用いた気象予報・衛星通信等の利用が困難に、空港や船舶は全国的な運転見合わせ、耐性のない電力インフラにおいて広域停電が発生などが懸念されています。

総務省が提言する極端な宇宙天気現象がもたらす最悪シナリオ(100年に1回またはそれ以下の頻度で発生)

100年に一度の宇宙天気現象について、総務省の最悪のシナリオは下記の通りです。

  • 通信・放送が2週間断続的に途絶し、社会経済に混乱。携帯電話も一部でサービス停止
  • 衛星測位の精度に最大数十メートルの誤差(ずれ)が発生。ドローン等の衝突事故が発生
  • 多くの衛星に障害が発生。そのうち相当数の衛星が喪失。衛星を用いたサービスが停止
  • 航空機や船舶は世界的に運航見合わせが発生。運行スケジュールや計画に大幅な乱れ
  • 耐性のない電力インフラにおいて広域停電が発生

最悪のシナリオを想定する場合には、1000年に一度が考慮されているのでしょうか。上のリスクランドスケープの図で、極端な宇宙天気現象に該当するイメージですね。総務省では、さらに、これらの現象が、100年に一度またはそれ以下での発生を想定しています。

今後に向けた取り組み

総務省報告書より

宇宙天気予報システムの強化、関連企業などによる対処、NICTによる研究を進めるなどを国家レベルの危機管理に向けた骨子にしています。

私たちができることは?

総務省、NICTが今後宇宙天気現象の予報を始めるようになるとのことで、そうした情報に耳を傾ける必要があるかもしれません。

通信が利用できなくなることも考えられますので、オフラインでの生活について考える必要があると思います。銀行やキャッシュレス決済は利用できなくなりますので、2週間程度の食料・飲料水等の備蓄などできることはやっておいた方がいいですね。

仕事で外出される方は、宇宙天気現象が発生した際に、建物内にとどまる、近くの建物に逃げるなど、無理に移動しないようにするなど、宇宙天気現象を起因とした事故に巻き込まれないよう注意が必要です。

▼「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会報告書(案)」に対する 意見募集の結果及び報告書の公表(総務省)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin05_02000047.html

▼宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会報告書
https://www.soumu.go.jp/main_content/000821116.pdf

▼宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会 報告書(概要)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000820488.pdf

ABOUTこの記事をかいた人

2000年以前から携帯電話好きで、2008年からはスマートフォンに興味を持ち、多数の機種を触ってきたスマホオタクです。 SIMカードにも知識があり、SIMカードのカスタマーサポートも経験。現在はフリーランスでSIMカードやIoTデバイスの検証、カスタマーサポートをやっています。